日本には日本ならでのおいしいお料理がたくさんありますが、中でも多くのファンがいるのが「そば」ですよね。
ですが、一口に「そば」と言っても、ざるそば、もりそば、せいろそば・・・
色々な種類があります。
ざるそば、もりそば、せいろそばの違いは一体どこにあるのか、疑問を感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に注文時などは、悩んでしまいますよね。
そこで、この3つの「そば」の違いについて解説していきましょう。
ざるそばともりそばの違い
まずは、ざるそばともりそばの違いをチェックしてみましょう。
どちらも同じもののように思えてしまいますが、実はこの2つのうち、歴史上により早く登場したのはもりそば、と言われています。
そばは本来、汁とは別に盛り付けられていただくものでしたが、江戸時代中期ごろになると「ぶっかけ」スタイルが登場します。
そこで、このぶっかけたそばと、汁とは別々に盛られたそばとを区別するために、「もりそば」という言葉が使われるようになりました。
この当時、もりそばは皿などの食器に盛り付けられるのが一般的でした。
現在の「ざる」に盛られているざるそばとは違いがあることが、よく分かりますね。
ざるそばとせいろそばの違い
ざるそばともりそばは、器が違っているのがよく分かりますが、では「ざるそば」と「せいろそば」ではどうでしょうか?
どちらも竹でできた器のようなもので、よく似ている印象がありますね。
ですが、ざるそばに用いられるざるは、竹で編んで作られたざるを、そばを盛る食器として使用するようになったものです。
つまり元々は、調理にも使用される「ざる」なのです。
これに対して「せいろ」は、蒸し料理に使用する際の「せいろ」をそばに使うように考案されたものです。
これは、江戸時代の初期にそばを蒸して調理していたため、そのまませいろで供するという発想になったわけですね。
このように、ざるそばとせいろそばは、盛られる器が違っているのです。
ざるそば・もりそば・せいろそばの違いに歴史あり
ざるそば・もりそば・せいろそばは、基本的にそばの種類や味には違いはなく、入れている器による違いであるということが分かりました。
最近では「もりそば」や「せいろそば」という表記は少なく、「ざるそば」でメニューに載っていることが多いですね。
ざるそばが主流になったのは、もりそばよりも高級感があるため、商売をする人がこの言葉を使うようになったというのが始まりのようです。
また、ざるそばは配達の際に重ねるのが難しかったため、せいろを使うそば屋もあったのですが、ざるをせいろに変えたからといって名称を変えるのが面倒だったということもあり、「ざるそば」がそのまま定着しました。
ざるそば、もりそば、せいろそばという3つの呼び名の誕生には、実はそんな面白い歴史が隠されていたのですね。
そばを食べに行った際には、メニューの表記とそばを入れている器を確認するのもまた、楽しみの1つになりますね。
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