アメリカンバレエシアター認定バレエ教師の資格取得方法

はじめに

日本でダンス教師やバレエ教師として教える場合、特に教師の資格やトレーニングがなくても教えることができます。

しかし人に教えるということは多大な責任感が伴うのでトレーニングをしっかり受けて知識を身に付けたいという人もいるでしょう。

海外ではそのような教師のためのトレーニングや修了すると認定書が発行されるプログラムがいくつかあります。

その中でもとてもしっかりしたトレーニングを近年アメリカンバレエシアターが行っており、バレエ教師の資格を発行しています。

これを受講してテストに合格すればアメリカンバレエシアター認定講師と名乗ることができます。

ではこの資格をどのようにすれば取れるのかを解説していきます。

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アメリカンバレエシアター・バレエ教師トレーニングとは?

このトレーニングは世界トップバレエ団の1つアメリカンバレエシアターの付属学校が行っている教師育成トレーニングです。

プログラムが作られ始めたのは2000年代になってからで、その当時のアメリカンバレエシアターのディレクター、ケヴィン・マッケンジーがバレエにおける頻繁に起こる怪我の原因、プロとして踊る以外にも人間としての人格形成にもバレエ教育は良いのではないか、などの点に注目して各地に散らばっていたアメリカンバレエシアター関係の元ダンサーや教師、振付家に声をかけてプログラムの作成を始めました。

3歳からballetクラスを受け始め、5歳以上、10歳以上、15歳以上からプロになるまでレベル分けされ、それぞれの年齢で行なってはいけない動き、また効果的な練習方法を解剖学だけでなく、子供が成長するにつれてどのように考え、どのように感じるかという哲学的な視点からも研究されています。

現在のアメリカンバレエシアターのバレエ学校ではこの教育プログラムに沿ったトレーニングが行われ、卒業したダンサーは世界中のメジャーなバレエ団に就職していっています。

トレーニングの概要

現在はアメリカ・ニューヨーク市の18、17通りの間にあるアメリカンバレエシアターの学校で夏と冬に講座が行われています。

スケジュールはこちらから

American Ballet Theater Ballet teacher training

レベルはPre-Primary(3−5歳)からPrimary(5−8歳)そこからレベル1−7段階に分けられ、レベルと同時に対象年齢も上がっていき、レベル7になればプロのバレエ団を教えるための内容やパートナリングの教え方なども学べます。

プログラムは3段階でPre-Primayからレベル3が最初で全部で9日間、費用は受講料と教科書代などで合計2000ドルほどです。

最終の2日間はテストの日になっており、テストを受けて1ヶ月後に合否の結果が送られてきます。

次のレベルはレベル4・5、その次がレベル6・7とパートナリングということになります。

合格してもすぐに次のレベルは受講できるわけではなく、合格通知を受け取ってから次のレベルのトレーニングが行われる半年か一年の間を置かなければなりません。

それはプログラムの内容を踏みしめて教える経験を積んでから次のレベルを受講しろということでもあります。

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受講するのに必要な条件は?

このトレーニングを受けるには多少の条件があります。

プロとしてある程度踊った経験のある人、もしくは教えた経験のある人です。

というのは生徒に教える以上、自分が経験がなければいけません。

経験もなしに指導するのは指導者側が曖昧な情報で教えているということであり、信頼できるものではありません。

日本でも経験がない人が教えているバレエ教室を何度か見ましたが、かなり間違った情報を教えていました。

しかし生徒の側はまだプロではないので、どの情報が間違っているのかなどはわからないでしょう。

そのため良い指導を受けることができず、才能を伸ばすことができない可哀想な生徒が多いのも現状です。

このプログラムでは自分のダンサーもしくは教師としてのレジュメを送り、自分の経験などを簡単な文章で送るという審査があります。

レベルが上がっていくと、なぜこのレベルのコースを受けたいのかなども作文で書くことになります。

言語はもちろん英語

トレー二ングはもちろん英語です。

講義は4時間ぶっ通しなどでどんどん進んでいくので、かなり英語が堪能でないと厳しいでしょう。

例として・私の英語で学ぶ経験

ちなみに私は受講した当時、アメリカ在住9年目でした。

留学した当時はダンス学校に2年通い、卒業後ダンスカンパニー・バレエカンパニーで踊り、6年目まではダンサーとしての活動しかしていませんでした。
正直、そこまでは全く英語のレベルは伸びませんでした。

そこから英語の教科書を開いて講義を聞くという勉強を始め、解剖学や教師としての哲学を学び、バレエ以外にもヨガやコンテンポラリーダンスの教師としての資格も取得し、教える場所も見つけて英語で教える経験を積みました。

アメリカンバレエのトレーニングを受けた時には9年目でかなり慣れていましたが、最初の教えの勉強を始めたトレーニング、ヨガの資格を取った時は死ぬ思いでした。

ヨガの場合は30人のクラスで外国人は1割ほどしかおらず、かなり勉強は不利でした。

そうなると外国人同士の仲間意識が生まれるもので、中国人やフランス人などと講義後集まって勉強会をしたものです。

しかしダンサーとしてクラスやリハーサル、ショーに参加する生活を送ったそれまでの6年よりも、このヨガトレーニングの1ヶ月のほうが格段に英語力が伸びました。

つまり、とにかく困難なことにぶつかっていった時に人間の能力というのは急に伸びるものなんですね。

なので恐れず受講してみるのもありでしょう!

様々な受講者

ちなみにヨガの場合は1割が外国人と言いましたが、ABTトレーニングの場合は70人ほどで半分が外国人でアメリカ人もニューヨーク出身者は二人ほどしかおらず、全米から受講しに来ていました。

外国人も中国、韓国、インドネシア、インド、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、ロシアなど本当に様々でした。

日本人は私の時は私一人だけでしたが、私の友人にも何人か受講した日本人がいるので、毎回1〜3人ほど日本人もいるようですね。

内容をちょっとだけご紹介

トレーニングの内容をここで書いてしまうわけにはいきませんが、具体的にどんなことを学べたか。

例えばバレエのバーレッスン、プリエ、タンジュ、デガジェなどをする理由です。

それぞれにどんな目的があり、どこの筋肉を鍛えていて、なぜこのトレーニングをするのか。

そして人間の体と脳の発育とトレーニングの向上、例えば5歳までは論理的な考え方はできないので指導は無意味、むしろこの年齢への指導は心を閉ざす悪影響になる。

5歳から8歳は論理的なことを理解し始めるので指導を行うことはできるが、体がまだできていないのでてテクニック的な指導はまだせず、基礎の動きのみを教える。

8−12歳はテクニックの指導を始めるが、体が成長していく最中なので難しいテクニックはまだ教えず、基礎の形の記憶を徹底する。

無理に難しいテクニックから教えると間違った動きを体が記憶してしまい、成長後のトレーニングへの悪影響にもなる。
などです。

まとめ

このような内容ですが、私は受講して本当に良かったと思います。

教師は自分が素晴らしいダンサーとして踊れる必要はないのですが、デモで見せて踊れる知識と経験が必要であり、デモで見せた時の手の形、細かい指の位置まで細かく直してくれます。

正直、バレエクラスでもここまで細かい指導を受けたことはないので非常に勉強になりました。日本から英語ということで難しいところもありますが、非常に情報量の多い良いトレー二ングでした。

また卒業後にアメリカンバレエシアター認定講師という肩書きが使えるのも自分のキャリアに大きく影響することでしょう。

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