はじめに
以前、近年ニューヨークで観光地化されている地元の人々に人気のスポット、ガバナーズ島について書きました。
この島は1600年代にオランダ人が最初に入植し、領地争いの後イギリス人の管轄となり、アメリカ建国後はアメリカ軍の軍事基地となっていました。
1966年代、軍事拠点としての必要性はなくなり軍が去った後は警備隊が使っていましたが、1996年にはそれも去り、居住も禁止されていたため忘れられた島となっていましたが近年ニューヨーク州に売り渡され、今も観光地化が進んでいます。
このような小さな島ながら様々な歴史があるため、面白い逸話がたくさんあります。
今回はその逸話を紹介していきます。
ガバナーズ島の知られていない話
ではそのガバナーズ島にまつわる面白い話を10個紹介していきます。
マンハッタンで唯一のゴルフコース
1930年代、マンハッタンで唯一のゴルフコースがこの島に作られました。
今でも形跡は残っていて無料でミニゴルフを楽しむことができます。
世界で最初の潜水艦を送り込んだ島
タートルという世界で最初の潜水艦がありますが、1975年にコネチカット州で作られ、ガバナーズ島にも配備されました。
1976年にジョージ・ワシントンの命令によりこの潜水艦がガバナーズ島から発進し、イギリスの戦艦を攻撃しました。
これが世界で最初の潜水艦による攻撃でした。
世界最小の鉄道があった
1918年にこの島にも鉄道が作られました。
その長さは2.4キロメートルほどで、歩いても大した距離ではありません。
車両も3つのみでしたが、軍事物資を運ぶ手段として必要なものだったのでしょう。
ガバナーズ島の土地は地下鉄の瓦礫によってできた
ニューヨークには町中に地下鉄が走っています。
その地下鉄を掘る際にでた瓦礫がマンハッタンの面積を広げるのに使われました。
マンハッタンのチャイナタウンとして知られるCanalストリートも当時はそこからがマンハッタンの端、河になっており、その名残からCanal(運河)ストリートと呼ばれています。
ガバナーズ島も当時は今よりも小さい島でしたが、1912年に埋め立てられて今のサイズ、また綺麗な円形になっています。
不思議な名前・バターミルク水路
ブルックリンとガバナーズ島を結ぶ1.6キロほどの水路、これはバターミルク水路と名付けられています。
この由来は諸説あります。
1つは当時この水路はとても浅かったのでブルックリンで飼われている牛が歩いて渡って来て島の牧草を食べていたから。
または農場の労働者が渡ってくるときに波が激しく揺れるので運んでいたミルクが着く頃にはバターに変わっていたなどの説があります。
どちらも本当か?と疑いたくなるような話です。
当時バーガーキングがあった
現在ガバナーズ島にはレストランやスーパーなど食料品を買える施設はなく、フードトラックが観光客のために設置されているだけです。
しかし1966〜1996年の警備隊に使われていた時期には島唯一の飲食店としてバーガージングが設置されていました。
なんと店ではビールも売られていたそうです。
もちろん現在の他のバーガーキングではビールは取り扱っていません。
マンハッタンと繋げる計画
これは実現するのかは疑わしいですが、マンハッタンとガバナーズ島の間の運河を埋めて島を繋げる計画があります。
これは現在も考えられていて20−30年はかかるだろうと言われています。
しかし実際にマンハッタンからフェリーでガバナーズ島に向かっていると、これほどの運河を埋めるというのはとてつもないことに思えて実現するとは思えません。
しかし当時キャナルストリートから現在のマンハッタンの最も南側であるバッテリーパークは実際にそれと同じぐらいの面積があり、実際にそれを当時埋め立てているのです。
なんともとてつもない計画が当時実現したものだと驚かされます。
ウイリアムズ城
前回も紹介しましたが、ガバナーズ島には巨大な要塞、ウイリアムズ城があります。
現在はモニュメントとして見学することができます。
これは1807−1811年に建造され、1903年の南北戦争の時には牢獄としても使われました。
しかし1966年、警備隊に使われ始めてからは若者のコミュニティセンターとして使われ、牢獄であった部屋は託児所、クラブなどの会議室、木工、芸術活動、写真ラボや博物館として使われるようになりました。
先ほどのバーガーキングといい、警備隊に使われていた頃は楽しそうな島です。
都市伝説
これはガバナーズ島にまつわる有名な都市伝説で雑誌などでも取り上げられているのですが。
島には今は使われていないたくさんの家があります。
この中にブルックリンにつながる秘密の抜け道があるという都市伝説です。
実際それほどのトンネルを作るというのは非現実的で、それほどのものを作る利点があるとも思えないですが。
ニューヨーク州に売られた時の値段は?
200年の入植後、2003年にアメリカ政府からニューヨーク州にこの島は売り渡されました。
その時の値段なんと1ドルです!
当時の知事ジョージ・パタキから大統領ジョージ・ブッシュに自由の女神の前でこの1ドルが手渡され、島の売り渡しが行われました。
1996年から2003年の8年間のこの島が使われていなかった期間、この売り渡しの交渉が政府とニューヨーク州の間で行われていたそうです。
まとめ
以上、ガバナーズ島にまつわる様々なお話をお伝えしました。
このような歴史を知って島に行くと、また感慨深いものがあって楽しめると思います。
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