アメリカでプロのダンサーになるための道・まとめ2〜引退後の人生〜

はじめに

アメリカでプロのダンサーになるための道のまとめとしてダンスカンパニーを引退した後、その経歴を使ってどのように生きていけるのか。

その例を私の経験も踏まえて紹介していきます。

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その後の人生で収入に結びつけるには

引退後はそれまでのプロダンサーとしての経歴でつける仕事も大きく異なってきます。

その中でも多い例を紹介していきます。

大学で教える

海外ではフルタイムでプロで踊った経歴があり、大学でダンスで修士号(マスター)を取れば大学でダンスを教えることができて、これがダンサーとしては最も安定した収入を得られる仕事になります。

しかしダンスで修士号を取得する学費は驚くほど高額です。

NYUなどトップの一流大学では1セメスターで500万円ほどかかります。

とても払える金額ではありません。

実はアメリカはこのような大学に奨学金をもらって通い、そこで修士号などを取得すれば高額の給料をもらえるので卒業後に数十年かけて奨学金を返済していくというのが通例の人生となっています。

しかしこの奨学金は外国人には適用されず、どうやっても払える学費ではないので外国人には難しいと言えます。

ヨガ・フィットネスの資格

次に多い例がヨガやフィットネスなどを教える方法です。

ダンサーは体を使って仕事をしてきた経験からヨガやフィットネスのインストラクターで成功する人が多いです。

私はヨガ教師の資格として200時間トレーニング、300時間トレーニングを受けました。


哲学や解剖学の勉強は今までダンス人生で使ったことのない英語や情報が多く、とても大変でしたが、この経験で自分の英語力が格段に伸びました。

さらにダンスのベースとなるバレエは人間の体を美しく見せるために本来の自然な形とは異なる方向に体を向けるトレーニングをするため怪我が多くなります。

ヨガはそれとは正反対で人間の最も自然な姿勢に矯正していくので今までダンスで習慣になっていた痛みなどが治っていきます。

さらに仕事の取り合いであるオーディションなど常に競争社会を強いられてきたダンス人生に対しヨガの哲学は他人を意識せず心にゆとりのある状態を作る訓練ですので、そのような心の安定をもたらしてくれるのもダンサーがヨガに没頭しやすい理由の1つのようです。

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ダンスの教え

ダンスも大学でなく、日本でいうダンススタジオのようなプライベートスクールと呼ばれるところであればプロの経歴と英語力があれば働くことはできるでしょう。

とはいえニューヨークはダンサーも溢れかえり、そうとうな運や人脈がないとその仕事を得ることはとても大変です。

良い方法としてはダンスカンパニーと同じようにニュージャージーやロングアインランドなど、ニューヨーク市から離れたところで仕事を探すことです。

ニューヨークでプロで踊ったという経歴も強く作用して仕事が見つかりやすいです。

私の場合の第二のダンス人生

私の場合は運良くペンシルバニア州のとても良いダンス学校に雇ってもらえました。

受け持つクラスは高校生で、3歳からそこのダンス学校で学び現在15〜18歳。

卒業したらそこから大学へ行ってダンスを専攻するか、全然違う分野を学ぶかという選択をする年齢です。

Pre-Professionalということでプロになる準備をするためにプロのダンスを経験させたい、ということで学校は私のスタイルのダンスをそのまま教えることをオファーしてくれました。

本来ダンスというのはジャンルで分かれていて、クラスではそのジャンルを教えることを要求され自分の踊りはなかなかできないものです。

ダンサーとして自分の築いてきた踊りを教えれる場所があることはこの上ない喜びです。

ここにきて私は人生最高の仕事場を見つけたと感じました。

さらに生徒のダンスカンパニーもあり、地域のイベントやダンスのフェスティバルなどに派遣するので振付家としても活動することができます。

こうしてこのダンス学校で教師兼振付家として働き、ダンス学校の空いている時間はリハーサル場所も無料で提供してもらえるので自分の作品も作ることができ、朝はヨガなどを教え充実した生活を過ごしています。

日本に帰れない理由

最後に日本に帰るという選択肢です。

一時帰国して様子を見たところ、これは非常に難しいと感じました。

海外で活動した経歴は日本ではブランドになるのではないか?と思う方もいますが、日本に根付いているジャズやヒップホップなどならともかく、海外でメジャーなコンテンポラリーダンスは日本では全く人気がありません。

一時帰国した際に昔お世話になっていた先生やダンススタジオにワークショップを教えさせてもらえないか頼んでみました。

しかしコンテンポラリーは日本ではなかなか受けたい生徒が集まらないということでした。

さらにダンスカンパニーで踊ったり雑誌にレビューを書かれたりという実績は海外では教師として仕事していくのに十分なものでしたが、日本では誰かのバックダンサーをした、コンテストで優勝したなどのコマーシャル系のわかりやすい経歴しか理解されず、自分の実績がなんなのかよくわからないという反応をされてしまいます。

これまで自分が海外で築いてきた実績やテクニックが何1つ役に立たない、仕事もろくに得ることができそうにない、ダンスを趣味程度にやってヨガやフィットネスを教えることを仕事にしていくしかないと感じ、やりがいを感じることはできませんでした。

まとめ

以上のような理由から私は帰国よりも海外にとどまることを選び充実したダンサー生活を送っています。

あくまで私の場合であり、海外で一緒に踊った仲間の中には日本に帰って、かなり狭い門ではありますが東京の芸能界と関わりのあるコンテンポラリーダンサーのコミュニティに入ってダンサーとして活動することで成功し、日本を開拓することに尽力している友人もいます。

とはいえ多くは仕事として踊る場所が見つからず就職して趣味程度にダンスを教えている人がほとんど、また海外のように刺激的な活動ができないためにダンスそのものをやめて別の人生の楽しみを求める人も多くいます。

どんな人生が幸せは人それぞれですのでどれが正解かは他人には言えません。

人の意見やメディアの評価に流されずに自分が幸せに感じることのできる道を見つける、それが一番大切なことではないでしょうか。

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