衣類に用いられる繊維にもいろいろな種類がありますよね。
現代では化学繊維と言われるものを用いた安価な衣類も増えていますが、お肌に優しく高品質な天然素材もまた、注目を集めています。
そんな天然素材には、綿・麻・絹・カシミア・モヘヤといったものがありますね。
いずれも高級な印象のある洋服などに用いられている繊維です。
また、利便性の高い再生繊維として知られているのがレーヨンです。
こちらも人気の繊維ですよね。
では、そんな綿・麻・絹・レーヨン・カシミア・モヘヤといった繊維には、それぞれにどんな違いや特徴があるのでしょうか?
それぞれの良い特徴と悪い特徴を解説していきます。
綿・麻の良い特徴・悪い特徴
綿や麻という素材は、日本でも古くから親しまれているものですよね。
これらは古い歴史を持つ繊維であり、綿などは約5000年前から使用されていたと考えられています。
綿の良い特徴としては、肌触りがよく、吸水性が高いため、汗をしっかり吸ってくれるということが挙げられます。
また、丈夫で洗濯にも耐え、熱にも強いため扱いやすいですね。
色が染まりやすいという特徴があるため、染めるのにも適していますし、逆に漂白したい時にも、漂白成分の効果が得られやすい繊維であるという特徴もあります。
ただし、悪い特徴としては縮みが起こりやすいことや、汗や日光で黄色く変色しやすいことが挙げられます。
次に麻ですが、これは特に夏物の衣料など、涼しく過ごしたい時に重宝されますよね。
このことからも分かるように、良い特徴としては通気性が非常に高いことが挙げられます。
さらに吸湿性や発散性も高く、汗をかきやすい季節に快適に過ごすことができます。
水に濡れることで強くなるという特徴もあるため、汗をかいた時の衣類にぴったりです。
悪い特徴としては、シワや毛羽立ちが起こりやすいことや、保湿力がイマイチということが挙げられます。
絹・レーヨンの良い特徴・悪い特徴
絹とは、多くの繊維の中でも、最も美しいと称されるほどの魅力のある繊維です。
蚕の繭から生産される天然素材ですね。
良い特徴としては、やはりその美しさが挙げられるでしょう。
光沢のある素材で、また肌触りも非常に滑らかで着心地が抜群という魅力があります。
しかも美しいだけではなく、保温性や保湿性、発散性にも優れているため、着心地も抜群です。
ただ、動物由来の繊維であるこちらには、他の繊維とは違いのある悪い特徴があります。
それは害虫に喰われやすいというものです。
また、デリケートな繊維なのでシミが起こりやすく、酸・アルカリに弱いという特徴もあります。
水にも弱く、濡れると縮んだり、色落ちしてしまうこともあります。
取扱いには十分な注意が必要な繊維と言えますね。
次にレーヨンですが、こちらは天然繊維ではなく、再生繊維と呼ばれる繊維です。
木材パルプと言う主原料に薬品を加えることで繊維状に再生してあるものです。
良い特徴としては、光沢のある着心地の良い繊維で、染色性も良いため、デザイン性の高い洋服などに用いやすいという点が挙げられます。
また吸湿性や吸水性にも優れています。
悪い特徴は、水濡れに弱く洗濯により傷みが生じやすいという点です。
さらに摩擦で傷んだり、水によるシミも起こりやすい繊維なので、取扱いは簡単ではありません。
カシミア・モヘヤの良い特徴・悪い特徴
カシミアとは、カシミヤ山羊という山羊から採取される素材です。
ブラウンやグレー、ホワイトなどの色があり、ホワイトのカシミアを染めて作られた衣類などもあるため、カラーバリエーションが豊富ですね。
そんなカシミアの良い特徴としては、非常に軽量でありながら高い保温性を実現してくれるということが挙げられます。
また、保湿性にも優れており、肌触りも柔らかく光沢など見た目の美しさも兼ね備えています。
弾力があるため、型崩れしにくいのも嬉しいポイントですね。
ただし、悪い特徴としては毛玉が発生しやすいということが挙げられます。
しかもデリケートなので家庭での洗濯が難しく、定期的にきちんとお手入れしなければならないというデメリットもあります。
次に、よく似た繊維の印象があるモヘヤについてですね。
モヘヤとはアンゴラ山羊と言われる山羊から採取される繊維です。
カシミヤと同じで山羊から採取されていますが、山羊の種類の違いがあるのですね。
このモヘヤの良い特徴としては、まるで絹のような光沢感があり、肌触りが良く、柔らかで着心地が良いという点が挙げられます。
また、保温性にも優れているため、冬の寒い日にもピッタリです。
ただし、毛が長くて抜けやすく、静電気が起こりやすいという悪い特徴もあります。
毛が抜けやすいため、お手入れの際には十分な注意が必要で、着用している際にもできるだけ摩擦を避けなければなりません。
このように、衣類に用いられる様々な繊維には、それぞれに良い特徴・悪い特徴があることが分かります。
季節や用途に応じて、上手に使い分けていきたいですね。
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