はじめに
近年、日本ではダンスの授業が必修となりました。
海外・アメリカなどではかなり前からダンスは義務教育となっていますが、海外ではダンス教育はかなり重要視されており、教育として求める効果も日本とは変わってきます。
その日本とアメリカのダンス教育の違いについて解説していきます。
ダンス教育の効果
日本の学校は創作ダンス・フォークダンス・ヒップホップから選択できます。
子供に人気ということでヒップホップが多く採用されているようです。
海外のダンス教育
日本のダンスクラスでは教師が振り付けを与えて踊らせるというものが多いでしょう。
海外では踊り方をある程度教えたらテーマを与えて即興で踊らせる、または振り付けをその場で考えさせて発表させるということをクラスで行います。
これらは生徒の発想力や自己主張力を高めるのに大きな効果があります。
海外の学校がダンス教育に期待していることには、これらの発想力・自己主張力・独創性の向上という効果が最も大きいようです。
即興で踊るという自己主張力
この即興で踊るというのは日本人の苦手とする所であり、クラスで即興で踊ってと言っても棒立ちで何もできない子供が多いのではないでしょうか?
これは子供に限らず、即興で踊れない日本人ダンサーは多いです。
海外の人達はこれが平気でできるんです。
文化の違いによる自己主張力の違い
アメリカの教育において人は褒めて育てるという文化があります。
子供が自分の作ったものを褒められれば自信がつき、どんどん自分の意見を言うようになっていきます。
日本は逆にダメ出しをする傾向が強い印象があります。
子供のうちに自分の作ったものを否定された子供は内気になり、人格を否定される恐怖から自己主張をしなくなっていきます。
このような自己主張力の違いは国の文化の違いからくるものなのでしょう。
それぞれの利点と欠点
とはいえ日本の教育方法が悪いというわけではなく、自分を否定されることで自分は完璧ではないという意識を常に持ち、向上するための努力を忘れない人間も出来上がります。
そのため日本人のバレエなどのテクニックに関しては世界トップレベルです。
ここではダンスで例えていますが、面白いことに、この国民性は様々な面で見えて来ます。
例えば車やコンピューターなど、すべて海外から入って来たもので日本人はそういうものを0から作り出すということが苦手ですが、それらを発展させてレベルの高いものに作り上げる技術に関しては世界トップです。
民族舞踊としての側面
もう1つの大きな違いになってくるのが民族舞踊としての意味合いです。
アメリカでは日本で言う創作ダンスにあたるモダン・コンテンポラリーダンスや黒人文化のヒップホップダンスは民族舞踊です。
日本ではフォークダンスが民族舞踊を教える分野になりますが、その歴史教育の意味が創作ダンスとヒップホップダンスにすでに含まれています。
学校周りするダンスカンパニー
みなさんの小学校などのイベントで学校に地元に劇団が公演しにくる娯楽イベントはありませんでしたか?
アメリカにはダンスでそのようなイベントがあるのです。
ダンスカンパニーが学校に来て、アフリカンダンス、メキシコ系のダンス、アイリッシュダンスなど様々なダンスを疲労して、解説の人がそれらのダンスのできた経緯や背景について話します。
アメリカは移民の国ですので、これが歴史教育として大きな意味を持つわけです。
当然ヒップホップダンスも歴史の一部ですので、ここで踊られ子供たちは大喜びです。
日本でもこのような学校周りをヒップホップダンスで行おうと考えている人たちがいるようですが、教育的な意味を考えると難しいでしょうね、日本の民族舞踊でならできそうですが。
まとめ
以上のような違いがアメリカと日本のダンス教育にはあります。
最も大きな違いになってくるのが、アメリカではモダン・コンテンポラリーなどのアート性の強いダンスは大学で専攻して学び、卒業後にダンスカンパニーに就職して食べて行くことができます。
そのようなアート文化の違いも考えると日本でダンス教育が小学校・中学校で義務教育化されただけでも、よくそこまで採用されたな、という感じもします。
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