フローアートというパフォーマンス
以前にフローアートというジャンルについてお話しをしました。
ジャグリングなどの道具を使ったパフォーマンスが主にこのカテゴリーに分けられ、その練習を通じてヨガの修行のように心と体の動きに集中し、それを自由にあやつれるようになることを目指す。
そしてそのような人間が大きな文明を持つ前の古来より存在する自然な遊びを通じて文明のストレスを忘れ、人間が本来持っていた幸せというものを思い出そうという考えが根本にあるようです。
その意味でヨガと考えが通じる所もあるため、ヨガの練習も好んで行なわれています。
フローフェスティバル
そんな人たちが集まってテントなどを建て、1つの村を作って数日生活するフローフェスティバルというものが各地で行われています。
フェスティバルの情報はフローアートの第一人者達により結成された Flow Arts Institute のホームページで常にその開催地が掲載されています。
私はそのフェスティバルの1つ、ニュージャージー州で行われる Return To Roots Gathering というイベントに過去2年参加していますので、そのイベントについてお伝えしていこうと思います。
フローフェスティバル〜Return To Roots Gathering〜
世界中から集まる参加者たち
このイベントは毎年夏にニュージャージー州の農場を4日間貸し切って行われます。
最寄りの大都市はニューヨークから車で2時間半、フィラデルフィアから車で45分ほどで都市から離れたキャンプ場といった感じです。
参加する人はサーカス系のパフォーマーの方はジャグリング・エアリアルティシュー・ハンドバランスなど、それ以外にもヨガ教師、画家、ミュージシャン、また子供から年配までの一般人の方達も参加していました。
アメリカ東海岸だけでなく、西海岸や海外からこのために来る人も多く、ほとんどは白人層、アフリカ系アメリカ人の方もいましたがアジア人は私1人だけでした。
このイベントは今年で7年目ですが、ここに参加した日本人は過去私だけかもしれません。
この4日間でキャンプでずっと滞在する人もいれば日帰りでちょっとだけ参加する人もいて、合計で2千人ほどの人たちが出入りするようです。
村の配置
まず入り口で車の駐車場があり、会場に入ると行われているイベントと地図の書かれたプログラムをもらいます。
そこからしばらくハイキングコースのような道を10分ほど歩きます。
途中で参加しているアーティストによる装飾がされていました。
すれ違う人たちも Hi! と声をかけてくれたり、私の持っているジャグリング道具を見て「これを使えるの?」「これいいね!」と声をかけてくれたり、とてもフレンドリーでした。
正直、アジア人が自分一人という状況もいつのまにか忘れていました。
道を抜けるとひらけた広場にテントがあり、テントで食べ物を売っていたり、ジャグリングショップが店を出して商品なども売っていました。
自作のアート作品を売る店
森の中で装飾してギャラリーにしている人もいました。
木の間にロープを張って綱渡りを練習している子供達や芝生の上でアクロヨガを練習する人たち、ピエロの演技について講習している人もいました。
そのさらに奥へ歩いて行くと途中の道で様々なジャグリング道具の練習をしている人たち。
各所にテントもあり、その中でヨガやジャグリングのクラスが行われていました。
このようなワークショップ形式のクラスが朝9時から夕方5時ごろまで行われています。
クラスのレベルも初心者から上級者まであるので、この道具を触ったこともないけどやってみたいという人がいたらいくつかはレンタル用のものもありますし、ジャグリングショップで道具を購入してクラスで初歩から使い方を学ぶということも可能です。
つまりパフォーマーの方でなくて、ちょっと経験してみたいという人もここにくれば一通り経験できるというわけです。
夜になると
このような練習会が夕方まで行われ、そこからみなさん一度自分のテントに帰って寝ます。
そして日がくれた頃に起きてきて、ここからがイベントの醍醐味。
ミュージシャンはステージで演奏を始め、パフォーマー達がキャンプファイヤーを囲んでそれぞれの技を披露するショータイムです。
ステージライトなどはないので炎とパフォーマー達が持ち寄ったLEDジャグリング道具などが使われます。
これらのパフォーマーの人たちは普段、学校や企業パーティーなどでショーをしてる人からラスベガスやドバイのショーにでている人、ツアーで回っているサーカス団に所属している人もいます。
そのような人たちが一箇所に集まってお互いの技を見せ合うので、ここで見れる技のレベルは世界でトップレベルでしょう。
ここからが本番〜ファイヤーショータイム〜
その後はみんな持ち寄ったファイヤー道具に点火、明け方まで炎であそびます。
何百人という参加者が一斉に炎を扱う光景は圧巻です。
そしてそこからもう一度寝て朝のヨガのクラスが始まる時間に起きて来る、これが4日間行われるという感じです。
映像でご覧ください
ここまで文字と写真のみで説明してきましたが、これまでの話すべてが収録されている映像がありますので、こちらでその雰囲気をご覧ください。
フローアートフェスティバル Return to roots gathering の映像
まとめ
ここに参加することで得られる最も価値のあるもの
このようにキャンプにジャグリングの練習会やアート作品の披露、ヨガの練習が加わったイベントですが、コンピューターも携帯もない生活に一瞬だけでも戻り、自然から発生した遊びや価値観だけで生活してみると今まで人生で感じたことのない世界の見え方に気づくものがあります。
情報化社会のため、お互いのレベルを数字で表し評価しあう世の中ですが、このような数字を表すものがない生活に戻るとお互いを評価するものが何もなくなります。
そういう「こうしなければいけない!」という基準は現代社会ではテレビメディアなどの情報操作によって先入観として人に自然と植えつけられています。
この人の服装がどうとか頭が良い・悪い、運動神経が高い・低い、行動がおかしいとか、そういうものを比べる必要がなくなるわけです。
これはこうしなければならない!こうでないといけない!というルールがなくなると人間は本当に自分の好きなことをすることに向かっていきます。
それが自分の才能、自分が楽しめる生き方を見つけるきっかけになります。
世の中には高収入・高学歴を達成した人は幸せ人れるという先入観があふれていますが、もしそうであっても自分の好きなことをしていなければ人生が幸せであるはずがありません。
そのような世の中の洗脳や支配から離れて自然と一体となる生活の中でいろんなアートに触れてみて本当の自分を見つけることができる、それがこのフローアートフェスティバルの本当の価値ではないでしょうか。
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