では前回の続きで、今回はあまり表にでない情報ですが、バイトはできるのかをぶっちゃけてしまいます。
ダンス留学の話がメディアに出る時「親が頑張ってサポートして子供は必死でダンスのトレーニングをしてプロになりました。」みたいな話がドラマや映画で美談のように語られます。
そんな親がサポートしてくれる恵まれた環境で踊ってるダンサーなど、特に日本には半分もいません。
バレエのドキュメンタリー映画などはそんな話が多く、その光景だけ見ていると感動する人も多いでしょう。
しかし正直、現実を知っているとダンスだけやってればなんの苦労もしない恵まれた環境で育っていくダンサーが世界で一番頑張ってるみたいに描かれるあの感じは嫌気がさします。
ヒップホップなどはそういう世の中の不公平さに対する怒りと貧しい人たちにも踊る自由を与える目的で発展していったダンスです。
実際多くのダンサーは家族のサポートもなく、踊り以外のところで泥臭い努力をしています。
学費や生活費の問題
多くの人は日本で必死でお金を貯めてくるでしょうが、ダンスをしながらでは毎日レッスンに時間とレッスン代を取られ、そんなにお金は貯まるものではありません。
アメリカに来たらまずバイトをしなければならないでしょう。
アメリカでバイトはできるのか?
アメリカでのバイトはだんだん厳しくなっていますが、まだまだできます。
前回紹介した日本人掲示板に求人も載っていて、多くは学生ビザでも雇ってもらえます。
もちろん違法ですが、アメリカというのは法律がめちゃくちゃなので真面目に全部守っていたら誰も生活できない国です。
レストランなどは従業員を雇うと、その雇用の税金を払わなければならないのですが、学生や不法移民などを雇う場合、申告せずに人を使えるので税金が浮きます。
さらに法律によって守られた従業員でもないので正規より安い給料で雇ったりもできます。
そうやって税金を浮かせないと家賃などの場所代が高すぎてレストラン経営などできないシステムになっています。
この学生のバイトの規制はアメリカの移民に厳しくなっていく傾向からだんだん難しくなっていますが、完全に禁止するとほぼすべてのお店は潰れる、ということを州や市がわかっているため完全な禁止は未だにされておらず、仕事は探せます。
どんな仕事があるのか?
では学生でどんなバイトがあるのか例をあげてみます。
レストラン
日本人オーナーの日本食のお店は日本人を使いたがります。
上のように正規雇用だけでは店がやっていけないというのもありますが、日本人のほうが真面目に働いてくれて使いやすいという理由もあるようです。
ブランドものの買い付け
日本のブランドものというのはアメリカからでは安く買えますので、それを大量に購入してカリフォルニアに送り、カリフォルニアから日本に送るという仕事です。
1回で60ドルぐらいもらえます。
ゲストハウスの管理人
日本人用のゲストハウスに住み込んで掃除やチェックインなどを行うというものです。
給料はでない代わりに家賃が無料で住めるという場合が多いです。
キャバクラ系
アメリカにも日本のキャバクラはあり、駐在の日本人やお忍びの芸能人が来たりします。
日本ではお水の世界ということで入りにくい世界のイメージがありますが、外国ではお金に困った学生の定番になっており、ダンサーの女の子たちはかなり経験しています。
日本ほど稼げないですが、日本ほど厳しい世界でもなく、普通のバイトよりは給料もいいです。
最後に
これらのバイトですが、ダンスとの両立というのは本当に大変です。
親のサポートのある人とない人で大きく生活環境は変わります。
サポートがある人の傾向
親のサポートのある人たちは毎日ダンス学校で好きなクラスをとって、頑張ればお気に入りの先生にもよく顔を出すからと気にいられやすく、パフォーマンスの機会も多く与えられます。
しかしのんびり留学生活を過ごしてしまう人が多く、毎日クラスを受けているだけで満足してあまり挑戦せず、気がつけば学生生活も終盤。
アーティストビザを申請するにも経歴が足りず帰国していく人は多いです。
中にはこれだけ家族に期待をかけられているんだからと努力する人、もしくは本当にダンスが好きでがむしゃらに練習してる人もいて、そのような人たちは学生終了後も残っていきます。
サポートのない人の傾向
それに比べバイトをしながらの生活はアメリカ生活の半分の時間をそっちにとられ、空いた時間でクラスの選択肢も限られ、突然オーディションの話があってもバイトの休みがとれず受けに行けない。
毎日が前に進んでいるのかもわからず、将来どうなるのかもわからない、不安でただもがくしかない毎日が続きます。
その苦しさに負けてダンスを離れてしまう人、途中で結婚相手を見つけてダンスをやめて普通の生活に幸せを求めていく人、山ほど見てきました。
しかし苦境の中で人は大きく成長するものでそういう苦しい生活に負けず前に進もうと努力している人たちは本当にハングリーでオーディションもチャンスがあれば受からなくてもいいから腕試しで受けまくる!
受からなかったら何が落とされた理由なのか考えて、クラスを受けるお金がなければ自分で場所を探して練習をします。
そして学生が終了する頃には経歴が溜まっていてアーティストビザを取得できるものです。
そのような経験は踊りにもでるもので、こういう苦境を乗り越えた人は個性的な一番面白いダンサーになっていきます。
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