世界の宗教の成立の歴史4〜アメリカの宗教の歴史・なぜキリスト教が大統領選に大きく影響するのか?その時期と過程〜

はじめに

現在アメリカ合衆国は宗教国家と呼ばれ、キリスト教の国です。

子供たちの通う学校にもカトリックスクールなどと名前がつけられていて、アメリカ人は幼い頃から聖書を学びます。

しかしアメリカ人のキリスト教の大半はプロテスタントであり、カトリックが受け入れられ始めたのはまだ最近のことです。

アメリカの歴史はまだ400年程度ですが、その中で宗教の名のもとに長い争いの歴史がありました。

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アメリカの発見

アメリカ大陸は1497年にイタリア、フィレンツェのアメリゴ・ウェスプッチによって発見され、アメリカという名前は彼の名前から来ています。

その後ヨーロッパから新天地を求めて次々に人がアメリカ大陸に渡ってきます。

ローマ・カトリック教会の腐敗が進む当時、ヨーロッパの主流はプロテスタントですので当初のアメリカはプロテスタントが建国した国でした。

カトリックの拡大

アメリカ先住民への布教

15世紀後半にはカトリックの教えを世界に広めるイエズス会も上陸、アメリカ先住民にカトリックを布教しようとします。

しかしアメリカ先住民にも独自の民族宗教があり、それを否定する教えとなるカトリックを広める行為は争いを生みました。

しかし中には布教にも成功した地域もあり、小規模ながらアメリカにカトリック派が現れます。

アイルランドからの移民

1800年代になるとこのカトリック人口が一気に拡大します。

当時イングランドではプロテスタント勢力が拡大、しかしイングランドの一部であるアイルランドはカトリックの根強い国で差別されていました。

さらに同時期アイルランドではバクテリアが繁殖し、ジャガイモ飢饉という食料難が勃発。

これらの背景を受けてアイルランドから新天地を求めて大量の人がアメリカに移住します。

この時アメリカに移住したアイルランド人は本国の8倍、アメリカでは7人に1人がアイルランド人となり、その移民の90%がカトリック教徒だったといいます。

この影響によりアメリカでのカトリックの力が一気に拡大します。

様々な移民

このアイルランドのほかにも当時ヨーロッパではプロテスタントの拡大により肩身の狭くなったカトリック教徒たちは信仰の自由のための新天地という希望を描き、アメリカにどんどん移住してきました。

それぞれがカトリック内で違う宗派であり、考えの違いはあれど、同じ信仰を持つという仲間意識により団結、カトリック勢力はどんどん拡大していきます。

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アメリカにおけるカトリックとプロテスタントの対立

それでもまだまだプロテスタントの方が多数を占めるアメリカではカトリックは差別されました。

カトリックは階級・ヒエラルキーを設けるなど基のキリストの平等を目的とした教えと矛盾するところがあります。

さらにアメリカの移民した人々の理想は脱権力支配、自由と平等の国アメリカという理想を持っています。

その中で権力構造を持つカトリックはまさに反アメリカ的であり、忌み嫌われるのも納得です。

さらにアメリカへの入植の過程でフランス・インディアン戦争が起き、イギリスとフランス・スペインの領地争いになります。

イギリスはプロテスタント、フランス・スペインはカトリックの国です。

この戦争の末、イギリスは領地を拡大すると同時にプロテスタントのカトリックへの敵視も強まりました。

アメリカ・カトリックへの改定

アメリカのカトリック教会の最初の司教であるジョン・キャロルはこのようなローマ・カトリック教会の悪いイメージを取り払わない限りカトリックはアメリカでは受け入れられないと考え、アメリカ・カトリック独自の教義へと改定していきます。

ローマ教皇にもアメリカ化の必然性を訴え、自主独立権を得てアメリカ風の教会を運営していきます。

聖書も英語に翻訳されたものを採用し、教会には信者の自治方式が採用されました。

アメリカ・カトリックの浸透

こうしてヴァチカンのローマ教会の管轄を離れ、アメリカ・カトリックはどんどんアメリカナイズされた教義に変わっていき、カトリック大学なども開校され、アメリカ社会にどんどん受け入れられていきます。

こうして変化していったアメリカ・カトリックは当初は自由と平等を主張するプロテスタントの移民に建国された国に後から来た移民が持ち込んだ異物でした。

しかしそこからアメリカで独自に生まれたオリジナルの宗教に変わっていったのです。

国のリーダーを決める大統領選への影響

このようにしてアメリカはカトリックとプロテスタントの長い争いの歴史がありました。

しかしいまだにプロテスタントの方が多数派で現在カトリック24%、プロテスタント51%と言われています。

これは国のリーダーを決める大統領選でも重要視され、大統領は常にプロテスタントでした。

確かにこれまでの歴史を見る限り、プロテスタント以外の人が大統領になれば国民は国の自由と平等を壊されると考えるでしょう。

カトリックの大統領

その中で唯一のカトリック大統領になったジョン・F・ケネディがいます。

ケネディがカトリックであることは選挙中に何度も問題視され、ケネディは政教分離、政治と宗教は関係ないと説き続けました。

この時にケネディの言った「カトリック教会が政治において私に指示することはない」という言葉に国民の宗教に対する心配がどこにあるのかが見えます。

ケネディの勝因・イメージを忘れさせる現実の姿

このケネディの勝因はテレビ討論にあると言われています。

この時にアメリカ大統領選初のテレビ討論が行われました。

テレビで実際に見ることのできるケネディの姿はリーダーシップに満ちあふれ、宗教の違いの不安という先入観のイメージを国民に忘れさせました。

こうして初のカトリック大統領が生まれます。

まとめ・今の大統領選では?

しかしこの後プロテスタント以外の大統領がでることはありませんでした。

そして2016年の大統領選です。

この大統領選で最後に残ったのはヒラリー氏とトランプ氏、不思議なことにこの2人はどちらも国民に嫌われているのに最終候補に残ります。

この2人しか選択肢がなかったのか?というとそうではなく、民主党候補者でヒラリー氏と争ったバーニー氏などは国民に大変慕われています。

掲げている政策も

・富裕層への課税強化

・巨大金融機関の解体

・大学の無料化

と貧困層の支持を集める利用も十分です。

なのにバーニー氏が支持されなかったのでしょうか。

調べてみると候補者の中でこのヒラリー・トランプ氏の2人だけがプロテスタント、バーニー氏などは無宗教とされていました。

これは宗教の影響を考えざるを得ません。

そして当選したトランプ氏ですが、聖書もろくに読んだことがなく、政治で有利になるためのプロテスタントを名乗っているだけです。

このように今も権力者は民衆の支持を集めるために宗教を利用しています。

この情報化の時代、支持する国民の方も何を信じるべきなのか、宗教のイメージに振り回されずに物を考えて欲しいものです。

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