飲食店などに行った際に、1万円札を出すと、「1万円入ります」と店員さんが大きな声で報告したりしますよね。
ですが、なぜ1万円を支払った時にだけ、「1万円入ります」なんて言われるのか、その意味や由来が気になってしまうこと、ありませんか?
一体、この「1万円入ります」というのは、いつから、どんな由来で始まった習慣なのでしょうか?
そこで、そんな気になるこの言葉の真相、秘密に迫っていきましょう。
「1万円入ります」の意味とは?
まず「1万円入ります」とは、どんな意味の込められた言葉なのかを知りたいところですね。
もちろん、基本的な意味については、言葉通り「1万円札」を受け取りましたというものになります。
ですが、気になるのはなぜ、1万円を受けとった場合に、これを報告するのかという点です。
その意味、理由としてまず考えられるのは、大きな金額のお札が入った時に、店員同士で確認し合うということです。
1万円という大きな金額に対して、渡す釣銭を間違えてしまうと大変ですよね。
そこで、あえて大きな声で「1万円入ります」と宣言することで、店員さん自身が間違えないように確認している意味もありますし、周囲の店員さんにも伝えて確認しているというような意味合いがあります。
それから、実はこの「1万円入ります」とは、お客様に対する確認の言葉でもあります。
特に忙しい時などには、飲食店では釣銭詐欺をしようとするお客様がいないとは限りません。
例えば5,000円を渡しておいて、お釣りをもらう際に「1万円渡したんだけど」なんて言って、お釣りを多くもらおうとする詐欺ですね。
そこで、お札を受け取った際に本当に1万円であれば、これを宣言するという習慣にすることで、お客さまにも釣銭詐欺をしにくくしていると言えます。
このように、一見意味不明な「1万円入ります」には、実は深い意味があるのです。
「1万円入ります」の由来は?
では「1万円入ります」という言葉がかけられるようになった由来は何なのでしょうか?
まず、この言葉をかける施設としてイメージされるのは、飲食店ですよね。
そして飲食店の中でも、特に大手のチェーン展開されたところで、よく耳にする言葉となっています。
「1万円入ります」の由来については、詳しいことは分かっていませんが、恐らく、そんな大手のチェーン展開された飲食店から始まったのではないかと考えられています。
そもそもの由来は、1万円という高額な紙幣を受け取った際に、マネージャーが直接対応する決まりがあったことでした。
そんな決まりを設けていた大手の飲食店で、1万円を受け取った際にマネージャーを呼ぶための掛け声として使われていたのです。
高額紙幣は、一般の店員ではなく、マネージャーが出てきてしっかり確認するという意味で、このような体制が取られていたと考えられます。
特に古い紙幣は、全ての紙幣に聖徳太子が印刷されていたため、忙しい最中の飲食店で、これをスムーズに見分けるのは簡単ではありませんでした。
そのため、より厳重な確認をする目的から、「1万円入ります」という言葉が使われるようになったというわけですね。
意味不明と思われがちな「1万円入ります」ですが、由来を紐解いてみると、「高額紙幣を丁寧に確認する」という重要な意味のある言葉であることが分かります。
「1万円入ります」はいつから?
徹底して金銭の確認をするため、という大きな意味のある「1万円入ります」ですが、この言葉がいつから使われるようになったのかも、気になるところですね。
由来では、全てのお札に聖徳太子が印刷されていた頃に見分けづらかったためということが分かりました。
つまり、この言葉がいつから使われ始めたのかは、そこにヒントがあると言えます。
いつから始まったのか、これは確実なことは分かっていませんが、恐らく1970年頃ではないかと考えられています。
五千円札に聖徳太子が用いられたのは、1957年~1986年です。
そして1万円札にも聖徳太子が用いられたのは、1958年~1986年となっています。
この期間は、これら2つの紙幣がとても見分けにくかったため、その期間の間に「1万円入ります」という言葉が誕生したのではないかと考えられています。
意外と歴史も古いのですね。
紙幣を見分けやすくなった現代でも、釣銭の間違いがないように確認の言葉として用いられる「1万円入ります」という言葉。
嫌悪感を示してしまう方もいますが、お金の確認は大切ですから、このような重要な意味があることを覚えておきたいですね。
コメントを残す