アメリカでプロのダンサーになるための道28(アーティストビザ取得後)〜フルタイムのダンスカンパニーの生活3・年間スケジュール・成功した人の生活〜

はじめに

今回は私が所属していたコンテンポラリーバレエカンパニーの年間スケジュールを紹介していきます。

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一年の流れ

まずアメリカは学校など9月から始まるのでカンパニーの年間シーズンの最初のリハーサルも9月、もしくは10月からになります。

アメリカのイベントに合わせて作品が選ばれる

10月の末にはハロウィーンがあるので、それに合わせた作品「ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」などの作品から始まります。

それが終わるとすぐに11月からは「くるみ割り人形」の練習が始まり、12月の真ん中に公演しました。

それから1ヶ月ほど休みになります。

この年越しのオフの間が長いのですが、私の場合はカンパニーの友達の紹介で別のカンパニーでツアーに行く仕事を入れることができました。

そのツアーの話に関しては次回書こうと思います。

ミュージシャンとのコラボ公演

そして年が明けて、次の公演は地元のミュージシャンとコラボする公演でした。

地元で人気のミュージシャン2組を呼んでその音楽で踊るというもの。

この公演は作品も提供してもらった曲にダンスカンパニーのメンバーが振り付けたりとバレエ以外の踊りも自由にやらせてもらえてバラエティに富んで、やっていて非常に楽しい公演でした。

自分の作品を作り続けることに意味を見出すアーティスト

ミュージシャンの1組は地元で人気のまだ20歳の双子の姉妹。

高校の時から音楽活動をしていて大学で音楽を勉強することにも興味がなく、高校を卒業してそのまま音楽活動に専念。

大学に行くと他人が作った音楽理論を押し付けられて自分の考えで音楽ができないので興味が湧かなかったそうで、若いのにアートの世界の問題点がしっかりと見えている人達でした。

かなりの実力派で初めてリハーサルに来て歌った時にはその歌唱力に度肝を抜かれました。

性格も本当に純粋で良い人たちで有名になろうという欲が全くなく、イベントには引っ張りだこで音楽活動だけで十分食べていけていて、それで自分達は満足という感じでした。

とはいえアンダーグラウンドのジャズミュージシャン達の間では知られているらしく、ニューヨークのジャズイベントで日本にも知られるほどの有名なジャズミュージシャン達ともコラボしていました。

このように純粋にアートが好きなストイックなアーティストというのは表の世界に出ることなくアンダーグラウンドにうじゃうじゃいるものです。

この姉妹との出会いは自分のニューヨークまで出て来て「有名なダンスカンパニーに入ることを目的としていた=人のアート作品を踊ることを目的としていた」という自分のダンサー人生について、踊りを通して自分は何をしたいのだろうということについて非常に考えさせられました。

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成功した大物音楽家

もう一人はブロードウェイミュージカルなどにも音楽を提供して地方で豪邸を構えて暮らしている大物ミュージシャンでした。

この公演の打ち上げがその豪邸で行われていたのですが、家がまず地下から5階まであり、中にジムから音楽スタジオ、ホームシアターなどなんでもあり、庭には馬がいてゴルフコースがあるという一軒家でした。

その庭の隣に山がありました。

その山の向こう側の山までこの人の土地だと言われて度肝を抜かれました。

印税生活おそるべし。

この公演が2、3月でした。

ダンス学校とのコラボ公演

そして年間を通して最後の公演となるのがダンス学校の生徒とのコラボ公演。

ダンス学校の上級生達は生徒のダンスカンパニーで「くるみ割り人形」の群舞など、カンパニーメンバーと一緒に公演をしてきましたが、ダンス学校全体とコラボするのはこの公演が唯一のものになります。

こちらは子供が見ていて楽しい作品となり、私がいた時はディズニーの「ジャングルブック」、原題は「モーグリ」という作品でした。

これが4、5月です。

夏の間は仕事はオフ

そして6月から8月はアメリカでは夏休みということになり、就職している人も長期休暇をとって旅行に行ったりします。

ダンスカンパニーも同様で夏の間は活動を休止してディレクターがどこか遊びに行ってしまいます。

ツアーカンパニーなどの忙しいダンスカンパニー以外はこの期間は活動しないところが多いでしょう。

この間のダンサーはダンス学校などで夏期集中講座が行われるので、そういうところに雇われて夏の間だけ教えるという仕事が多いようです。

まとめ

年間のスケジュールは大体こんな感じでした。

この間に学校のショーや地域活性イベントなどの仕事が入り、不定期でショーが入るというぐらいです。

そして次のシーズンが始まると同じ一年の繰り返しです。

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