そば専門店などで終盤に出してくれる栄養満点の蕎麦湯。
大きく分けるとそのまま飲む、そばつゆを混ぜて飲むという2つの飲み方が思いつきますが、果たして決まった飲み方やマナーなどはあるのでしょうか?
蕎麦湯の飲み方に決まりはある?
実は基本的に決まりというものはありません。
蕎麦湯の出し方も店それぞれであり、一般的な蕎麦湯は蕎麦を茹でた時の茹で汁に大量の栄養とそばの味が染み出しているので、それをいただくものです。
一流の蕎麦屋ではそばの味は絶品で、そのそばが染み出している蕎麦湯であれば、その蕎麦湯自体の味も絶品でしょう。
店のこだわりに従うのが一番
この蕎麦湯の出し方にこだわる店もあり、店によってはいただいたそば湯専用のものを用意したり、そば粉を加えてコクを出したり、蕎麦湯の味自体にも徹底的にこだわるところもあるようです。
やはり料理というものの一番おいしい食べ方を知っているのは、それを研究して開発したお店とその料理人ですので、店それぞれのルールがあればそれに従うのが一番おいしくいただける方法であり、マナーでしょう。
蕎麦湯の栄養から考える
蕎麦湯はもともと信州でそばの染み出したその栄養を無駄にすることなくいただこうということで始まったものです。
そばの栄養の代表はルチンというポリフェノールでビタミンPとも呼ばれ、強力な抗酸化作用を持ち、生活習慣病を予防します。
そしてそれを摂取することを考える場合、そばつゆと混ぜる飲み方は正しいとは言えません。
そばつゆには塩分が多く含まれるため、ルチンをその塩分が分解してしまい、ルチンの効果が薄くなってしまうからです。
栄養という部分に焦点を当てて考えるのであれば蕎麦湯はそのままいただくのが一番効果的でしょう。
味の楽しみ方から考える
では栄養という部分は別として、蕎麦湯の味自体を楽しむ方法を紹介していきます。
一般的には次のような楽しみ方が挙げられます。
そのまま飲む
通の人はまずこの飲み方で楽しむのではないでしょうか。
他の料理にも言えることですが、味付けを加える前の料理というのはその店の個性と腕前が一番強くでる状態です。
そばの打ち方、作り方も店によって違うので、蕎麦湯そのものの味も店によって個性があるはず、それを楽しむのはなかなか楽しいと思います。
薬味を加えて味を変えてみる
ねぎ、わさびなどそばつゆに加える薬味ですが、残しておいて蕎麦湯に加えてみるという楽しみ方もあります。
もしあればしょうがや青ネギ、ゴマなども非常によく合います。
そばつゆを少しずつ加える
一気に加えるのではなく3分、5分、7分などと少しずつ加えていくと味の変化を楽しめます。
まとめ
このような食事の際に味を変えていく、素材の味を楽しむというのは日本料理の強みであり、非常に上品な文化だと思います。
海外の料理を思い浮かべると、1つの皿に全部を乗せて味が混ざってしまったり、料理をソースでベタベタにして素材の味をわからなくしてしまうものも多く、食材そのものの味をリスペクトするという気持ちが欠けているように感じるからです。
また蕎麦屋もそれぞれの店の料理人が最高の味を出そうと努力を続け、今もその進歩は続いています。
そう考えると特定の料理に、こうやって食べるものだというルールを決めてしまうのは先入観を作り出してしまうことでもあり、料理の進化をそこで止めてしまう愚かなことにも思えますね。
そばも含め、歴史ある日本料理そのものも尊重しつつ、料理人やお店にも尊敬を払ってそれぞれの勧める味を楽しんでいきたいものです。
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