はじめに
数年前より学校の体育の授業にダンスが取り入れられました。
学校の選択で創作ダンス・フォークダンス・ヒップホップダンスから選べるようですが、多くの学校が採用したのはヒップホップでした。
何故突然そうなったのか?
その裏で文部省や芸能界の話し合いがあったようです。
某芸能プロダクションの計画
同時期に専門学校としてダンス学校を開校した大手芸能プロダクションがありました。
多くのミュージシャン・アイドルを排出し、歌番組などで必ずと言っていいほど、その芸能プロ出身の芸能人が出演しています。
ダンスを使ったビジネスプラン
その芸能プロのビジネス戦略として、ダンサーの仕事を増やそうという計画がありました。
文部省にダンスの教育としての重要性を認識させ、学校教育に取り入れようという計画です。
教育に取り入れられればダンサーを派遣するというビジネスができます。
ダンススタジオやダンス学校であれば景気が悪くなれば人間の生活の中では娯楽から減って行くのでダンス業界などは真っ先に経営難になるでしょうが、学校というのは義務教育であるため、景気が悪い中でも仕事はなくなりません。
そのマーケットに参入すれば莫大な利益を生みます。
なぜヒップホップ?
取り入れられたダンスの多くはヒップホップ。
ヒップホップはもともとは黒人文化から生まれたダンスで簡単な振り付けであれば、バレエやジャズダンスのように長い基礎トレーニングがなくても踊ることができます。
また教師も他のアート性の強いダンスに比べて点数がつけやすく、学校教育に取り入れやすかったのでしょう。
テレビ番組でも歌手のバックダンサーなどで最も見かけるダンスであり、コマーシャル要素も強いダンスで広まりやすく、子供にも人気でショービジネスに使いやすいものです。
実際に日本の多くのダンススタジオ、ダンス学校がメインにしているダンスのジャンルはヒップホップです。
つまりこのジャンルをメインにすることが芸能プロに最も大きな利益を生むわけです。
教育としてのダンス
実は海外ではダンス自体は学校教育にかなり前から取り入れられています。
しかしヒップホップが取り入れられているのは黒人系の学校のみで、それは彼らの文化の一部であり、歴史教育という面もあるからです。
黒人系以外の学校では主にモダン・コンポラリーダンスをベースとした創作系のダンスが教えられています。
基礎の動きだけ教えて、あとはテーマを与えて即興で踊らせるというもので子供達の創造力や個性を伸ばすのに大きな効果があります。
そういう背景から考えると日本のダンス教育は振り付けを与えて踊らせるだけであり、日本の文化でもないヒップホップダンスが取り入れられるというのはフィットネス要素しかなく、教育という意味合いが海外に比べて薄い印象を受けます。
実際このビジネスは成功したのか?
結論から言うと、当初の計画としては失敗です。
もともとは学校にプロのダンサーを派遣しようというビジネスを考えていたわけですが、学校でプロを目指すわけでもない生徒が習う程度のダンスなら体育教師がちょっと勉強すれば足りてしまい、プロのテクニックまで必要なかったというわけです。
とはいえ体育教師の方々がダンスを学ぶのが大変で悲鳴をあげているという話を聞きますが。
しかし、この体育教師に教えるための短期講習をしたり、ダンスの認知度が広がったことによりテレビドラマなどでもダンサーが登場する場面が増え、実際にはダンサーの仕事は増えているので、別の面では成功もしています。
まとめ
日本の教育にダンスが取り入れられた背景にはこのようないきさつがありました。
たしかにダンスは運動量も多く、リズムをとる勉強にもなり体育としての運動には良い効果があります。
しかし海外に比べると意味合いが教育としての意味合いが薄い印象は否めないので、もう少し改善がなされないものかとも思います。
コメントを残す