はじめに
このトピックではアメリカでプロのダンサーとして活躍するための道として
学生ビザを取得>ダンス学校に留学>オーディションなどで経歴をためてアーティストビザを取得>フルタイムのダンスカンパニーのオーディションに挑戦>フルタイムのダンスカンパニーで働く
という最もスタンダードな道を解説してきました。
これはコンテンポラリーなどのアート系のダンサーとしてプロになるまでの道の例の1つで他にも様々な活動方法がありますが、日本から来る多くの方にもっともわかりやすい道を示し助けになればと思い書いてきました。
他の道のことはこれからも思いつく限り書いていこうと思いますが、このトピックはフルタイムのカンパニーに入り引退する今回までで1つの人生の選択肢として一区切りつけようと思います。
カンパニーを引退する理由
フルタイムのダンスカンパニーで働くことは日本にいる時からの夢であり、そこに入って働くことができてダンスでご飯を食べていける。
そんな環境を手にいれたのになぜダンスカンパニーをやめたのか?とよく聞かれます。
それらの理由をいくつかあげていきます。
引退後の生活の心配
引退した後の保証や次の仕事などが何もなく不安になるということがあります。
フルタイムのダンスカンパニーに入る前は、入ってしまえばそこから人脈で教えの仕事などにつく、ダンスカンパニーの裏方として働くなどの仕事でなにかしら食べていけるのではないかと思っていました。
しかし実際は何もありません。
教えの仕事などは自己責任で探しにいくもので助けてももらえませんし、裏方も特に必要な役職ではなく仕事になりません。
つまり引退した後になんらかの仕事をするための技能を自己責任で取得しておく必要になるのです。
多くの人はフィットネストレーナーやヨガ教師になる、地元に帰って子供にダンスを教える、または大学に行き直して全然違う仕事の勉強をする人もいます。
それらの勉強をすることも考えるといつまでも踊っているわけにはいかない、ということになり30ぐらいで次の人生に転換していくわけです。
収入が安定しない
ダンスカンパニーの給料というのは食べていくことはできますが貯金が溜まるほどはもらえません。
若いうちはそれでも良いのですが、30過ぎる頃には自分の人生が不安になってきます。
結婚や家族の心配など社会の責任も増えてきて自分だけ食べていく程度の人生を過ごすわけにもいかず、もっとお金になる仕事をすることを考えて引退していくのです。
自分の名前が売れるわけではない
ダンサーを引退した後、振付家として自分のダンスカンパニーを作る人もいるでしょう。
しかしこれも早く、若いうちに始めたほうが良いのは確かです。
そしてそれを始めるためには自分の振付家としての名前がある程度売れていないと良いダンサーも集まらず難しいでしょう。
これがダンスカンパニーで働いてる間ですと、踊っている振り付けは自分のフリでなくダンスカンパニーの振付家の振りであり、自分の名前よりそれを振り付けた振付家やダンスカンパニー自体の名前の方が先行して知られて行きます。
結果、自分自信を世の中に売り込んでいくのは難しいということになります。
バレエなどのように主役がしっかり決まっている場合はこれでも雑誌などにとり挙げられて商業的に成功していくのですが、コンテンポラリーなど特に主役の決まっていないダンスだと難しいものです。
このような背景から、早く独立して自分の作品を発表していく活動をしたい、という理由で辞めていく人も多くいます。
まとめ
以上のようなものがダンスカンパニーをやめる理由のほとんどです。
では次回はやめた後の人生についてお話していきます。
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