はじめに
私は海外で10年ほどアーティストとして活動し、数年ぶりに日本に帰国する機会がありました。
そこで日本に住んでいた頃は感じなかった文化の違い、特に娯楽の違いというものを強く感じました。
よくニューヨークと東京は人がごった返す都会ということで似ているという話を聞きますが、全然違うではないかと思いました。
ではそれらの娯楽と文化、人々の違いについてまとめてみました。
日本と海外の娯楽とは?
海外といっても様々ですが、私が比較したいのはアーティストが多く住む街、アメリカのニューヨーク、サンフランシスコ、イギリスのロンドン、ドイツのベルリン、フランスのパリなどです。
日本に帰ってきて私がこの大きな違いに気づいたのは、時間ができた時、暇になった時に何をしようか、と考えた時でした。
みなさんはどんなことをして時間を使うでしょうか?
海外の娯楽
私が海外で時間ができた時の時間の使い方は何らかのアートに触れにいくということです。
ギャラリーや美術館などに行く、バーで飲みながらライブ音楽を聞きに行く、ダンスや演劇など何かパフォーマンスを見つけて観に行くなどです。
これらのアートに関連する娯楽が海外ではとても身近なところにあります。
音楽やダンスなどは街を歩いているだけで見かけるほどですし、美術品なども気軽に入れるギャラリーがあちこちにあります。
アートという娯楽
これらの娯楽ですが、日本ではアートというとしゃれた印象を持つ方も多いでしょう。
しかしこれらの音楽、ダンス、絵を描くなどは人間が文明を持つ前から存在する最も自然な形の遊びなのです。
そしてこれらは文明のストレスを忘れ、最も自然な形で楽しめる遊びでもあるのです。
実際経験してみると、これらの遊びは生活の中で最も自然にストレスを忘れさせ、生きる喜びを与えてくれるものです。
最もこれらを商売にして高い授業料をとるビジネスに特化したアートなどの話をすると別の話になってきますが。
海外の人はそれらをどう楽しむのか?
これらのアートですが、日本ですとイマイチ何が面白いのか理解できないという人も多いでしょう。
実は私も日本に住んでいた頃はそうでした。
というのは日本の文化の傾向なのですが、説明して理解できるものしか受け入れられない、というものがあります。
しかしアートというのは説明できず、それを自分で解釈・想像して楽しむものなのです。
とにかく感じるということ、例えば絵やダンスを見ている、音楽を聴いていると自分の頭の中で様々な世界が広がっていく。
そんなイメージの世界を楽しむもので、その世界に入り込むととても気持ちの良い気分になれます。
お酒に酔っ払った時などにもよく似ているかもしれません。
そのようなリラックスして楽しめる雰囲気を理解できるようになればアートは生活に欠かせない娯楽となるでしょう。
そしてそれらを趣味とする人々は忙しい日常でもリラックスして人生に余裕がある人が多いです。
日本のアートや娯楽
これに対して私が日本に帰ってきて感じたのは、人のエネルギーが「無」だったことです。
そしてこれらのアートに触れる場所がなかなかないこと。
美術館などはあるので、入ってみるとなかなか面白いのですが、お客さんが全然いない。
これが海外であれば人でごった返しているのですが興味を持つ人が少なく、同じ見にいくなら映画などのわかりやすいものに足を運ぶ人がほとんどです。
日本の娯楽とは?
それと驚いたのが飲食店の多さと風俗店の多さです。
愛知、大阪、東京など日本の大都市を一通り見てきましたが、とにかく飲食店が多い!
少し歩けば違うラーメン屋、どこへ行っても飲食店を見ない街はありません。
さらにちょっと裏道にはいれば風俗店だらけ。
日本の友達の話を聞いてみると、日本で時間ができた時に遊びにいくとしたら「食べにいく」ことであり、会社の仲間でもつきあいでよくいくことになるのはこれらのお店だということです。
これらが日本の娯楽の主流となっているようです。
街の印象
このような背景から日本はアートが日常に存在しない、根付いていない国だということを強く感じました。
特に東京ですが、街には疲れている人が多く目につきました。
ストレスを溜め、いつも下を向いて歩き、人間関係に疲れて、帰りの電車の中でもうビールを飲み始めているサラリーマンの方もいました。
いつも遅くまで働き、家に帰ってもあまり時間がなく、お酒ぐらいしか楽しめるものがないという印象を受けました。
同じ都会でも幸せな人が日本は特に少ないという印象をうけずにいられませんでした。
日本人の特徴
日本人は海外に比べて人の目を気にしすぎる、人にどう思われてるのか気にしすぎるという傾向があります。
実際会話でも人に噂をする人が多く、とにかく人間同士を比べたがります。
またいらないことを気にしすぎてそれにストレスも感じるし、何をするにしても深く考えすぎる人もおおいでしょう。
このような国民性から、頭をリラックスさせて心で感じて楽しむアートという娯楽は根付きにくいのでしょう。
まとめ
以上のように日本は海外の大都会と比べてアートに触れる文化がなく、ストレスを溜める人も多いという印象を受けました。
アートがあればストレスが減るのか?というと、実はこれは減るということが脳科学などの実験結果で証明されているんです。
先ほども言いました通り、音楽、ダンス、絵を描くなどの文化は娯楽として人間が文明を持つ前から存在し、これらは社会のストレスを忘れて没頭できる遊びでもあります。
日本人のストレスを解消するヒント
日本人の特徴でも書きました通り、日本人は深く考えすぎるし、人間関係を気にしすぎます。
それに対しアートというものはそれらをすべて忘れさせて、何も考えずにリラックスして自分の世界に没頭して楽しむ遊びです。
このような娯楽が生活に根付いていれば日本人ももっとストレスのない生活をできるのではないだろうか、と思いました。
日本独特の発展を遂げたアート
実は日本で海外とは別の形で根付いてるアートに近い娯楽があります。
それがヲタク文化と呼ばれるアニメやゲームです。
これらはアートなのか?と言われると疑問を持つ方もいるかもしれませんが、起源を考えると同じものと言わざるを得ません。
実際に漫画家やゲームのキャラクターデザイナーでも独特の絵を描く方は世界の美術館に作品が飾られるほどの評価を受けています。
そしてこれらを趣味として楽しむヲタクの方々のパワーや人生の充実度は見ていても満たされているのがわかるでしょう。
このように少し変わった形で根付いていますが、アートにはこのように人に生きるエネルギーを与えるということは否めないでしょう。
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