アメリカへダンス留学、学生生活10ヶ月目ぐらいの頃でした。
アメリカで活躍する日本人達のコミュニティ
この頃もまだまだ英語が通じず、アメリカ人のコミュニティには入っていけてなかったのでダンス学校で日本人の友達の繋がりからのショーが多かったです。
女友達2人とよく一緒に仕事をしていました。
1人はすでに2年ほど住み、いろいろと繋がりがあったのでその人からのパフォーマンスの話が多かったです。
この人を友人Bとします。
そしてもう一人も2年ほど住んでましたが、こちらはBのルームメイトで、こちらはなかなか上がって行けず、ダンス学校で毎日クラスを受ける日々が続いていました。
こちらは友人Cとします。
ニューヨークで行った変わったパフォーマンス
その友人Bがジャズダンサー系ということで私が普段しているパフォーマンスとは違う種類の話がよく来ました。
今考えると経験としては面白かったです。
予算の少ないミュージックビデオ
例えばミュージックビデオですが、ポップアーティストのミュージックビデオなどでなくちょっとアーティスティックな感じの音楽です。
音楽を作った人は日本人でニューヨーク大学の教授をしていました。
このミュージックビデオを撮った監督も日本人でフィルムを勉強していました。
ストーリーは主役の女の子が女優を目指してオーディションを受けるというもので、そのオーディションシーンにダンスが必要で友人Bはそのダンスシーンの振り付けをしていて、私にもダンサーが必要ということで声がかかったわけです。
しかし、このオーディションシーン、後で見てみるとアメリカのオーディションのシーンなのに友人Bの周りの人を集めたということで半分ぐらいアジア人なんですよね。
日本人コミュニティで仕事をするとよくある話です。
ニューヨークの日本人地下アイドル
日本では地下アイドルは流行ってますが、これをニューヨークに持って来て流行らせようというエージェンシーがありました。
そのイベントにでて踊ることになりました。
この主役のアイドルの子がなかなか癖のある子で大変でした。
日本で芽が出なかったらしく、結構な劣等感を持っていて周りにいばりちらして「自分は凄いアピール」を常にしている人でした。
こんな感じでも日本人地下アイドルという珍しいキャラクターで売れば一瞬は注目されるものです。
実際歌も踊りも普通で特に凄い人という印象がなく、日本の地下アイドルの方がはるかにレベルが高いとは思いました。
そして事件が起きます。
当時マイケルジャクソンの映画「This is it」が公開され、その中でマイケルが音響装置の指示を出して場をしきる、というなかなか印象的なシーンがありました。
この地下アイドルがそれを真似しようとして、友人Bに本番当日、使う音楽の一部を変更しろと言って来ました。
我々パフォーマーもこのイベントのために数日かけて音楽を用意して練習してきたので、当日にいきなりこう言われては「ふざけるな!」という感じで反論します。
本番は用意した音楽の一部が消去される形で、パフォーマーからしたら不本意なショーをやらされた後味の悪いショーとなりました。
ニューヨークという名前だけで日本から凄いと思われてしまう現実
ちなみにこのショーは日本のテレビ局も見に来ていて、この地下アイドルは日本のドキュメント形式の特番で紹介されました。
このようにテレビに撮られているから、この地下アイドルもマイケルジャクソンの真似をしようとしたのでしょう。
日本からテレビを通してニューヨークで活躍していると放送されると凄いと映ってしまうものです。
実際は日本の地下アイドルより劣るアイドルがニューヨークでコスプレして珍しいものを見に来たアメリカ人の前で小さいイベントをやっていただけなんですが。
これがメディアの世界の現実です。
初のオーディション合格
そんな中、いろいろと受けていたダンスカンパニーのオーディションの合格通知が届きました。
このことについては次回書きますが、このオーディションは友人Cと受けに行き、私だけが受かりCは落ちていました。
翌日、ダンス学校に行くとCは私を完全に無視して避けるようになりました。
まとめ・アメリカで活躍する日本人達
このようにアメリカにいる日本人には様々な人がいます。
このニューヨーク大学の教授は今は日本に帰り音楽活動をしています。
友人Bは今でもニューヨークでダンサーとして活躍し、ミュージックビデオを撮っていたフィルムの勉強をしていた方はその後に制作したフィルムで賞をとり、世界中で新しいフィルムを撮って作品を発表しています。
そしてこの地下アイドルの子はすっかり消えてしまい、今はどうしているのか想像もつきません。
友人Cも経歴が足りずにアーティストビザが取得できず、学生終了と同時に日本へ帰っていきました。
本当に日本ではなかなか出会えないいろんな人たちに簡単に出会えます。
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