はじめに
子供の頃、男の子であれば特にウルトラマンや仮面ライダーなどに夢中になったことがあると思います。
アメリカでも同じように子供達が夢中になるスーパーマンやバットマン、スパイダーマンなどのヒーローがいます。
このようなヒーロー達について、アメリカと日本ではどのような違いがあるのかについて考えて見たいと思います。
今回はドラゴンボールやNARUTOなどの漫画ヒーローでなく、カテゴリ上アメコミヒーローに近い特撮ヒーローの方で比較していきたいと思います。
アメリカと日本のヒーローの違い
外見の違い、キャラクターの個性や年齢、職業など様々な比較ができます。
外見的な違い
日本のヒーローは巨大ヒーロー、変身ヒーロー、スーツを着る着装ヒーローに分かれます。
変身、着装前は普通の人間、変身後にスーパーパワーを発揮するという形です。
対してアメリカはアイアンマンなどの例外を除くとスーツは着るけどスーツに能力はなく、来ている本人がスーパーパワーを持つというケースが多いです。
アメリカのヒーローの外見
まず外見ですが、アメリカはとにかく筋肉を意識します。
そしてその筋肉を強調する体にぴったりの弾性繊維の服、スパンデックスと呼ばれるものを着るのが一般的なヒーローコスチュームです。
これはヒーローが生まれた当時のアメリカは軍を拡大している最中で子供達に体を鍛えることに憧れをもたせたいというプロパガンダ的な背景も考えられます。
ちなみに実際アメリカ人があのようなスパンデックスをかっこいいと思っているかというと、近年ではやはり変な格好という意見を多く聞きます。
子供の頃にあれがかっこいいという意識を刷り込まれればかっこいいと思うのでしょうが。
日本のヒーローの外見
日本のヒーローのほうは初期のウルトラマンや仮面ライダーはこの影響を受けており、仮面ライダー1号のむきむきの筋肉にこれが見えます。
ウルトラマンも特撮のスーツではなく漫画版を見るとかなり筋肉が強調される描写があります。
そしてスーツを着るゴレンジャーなどに関しては筋肉は描かれず、こちらが別路線となっていきます。
そしてやはり日本では筋肉むきむきの全身タイツはあまり人気がなく、近年では日本のヒーローは多くが変身系より見た目もかっこいい着装系が多くなりました。
顔のマスクもアメリカは口は露出しているのに対し日本は全体を覆うのが好まれます。
わかりやすい例で仮面ライダーのライダーマンは一人だけ口が露出しており、今でも子供達に変なライダーと酷評されてしまっています。
さらに言えば着装系が一番キャラクターの違いを出しやすいのではないでしょうか。
着装系はいろんな武器やアイテムを使えるのでキャラの違いを表現しやすく、またそれらをオモチャ化して売ることが一番利益がでるといいます。
東映の仮面ライダーと戦隊ヒーローのテレビシリーズは半年ごとにどちらかが終了して新番組が始まり、新たなキャラを発表し、その使うアイテムをオモチャ化して売るというマーケティング方法です。
そのため近年の仮面ライダーやウルトラマンは見た目もオモチャのような武器を使って戦う残念な傾向もあります。
キャラクターと能力
ではその能力の違いについて考えて見ます。
アメリカのヒーローの能力
アメリカの場合はヒーローというとDCとマーベルの2大巨頭ですが、基本的に思いつく能力が限られているのか、DCとマーベルで能力が被ってるキャラが大体います。
例えばDCのフラッシュとマーベルのクイックシルバーの高速移動、水中で自由に動けるDCのアクアマンとマーベルのネイモア、弓矢を使うDCのグリーアローとマーベルのホークアイなど。
このような簡単に思いつく能力に関しては似ているヒーローがでてきても著作権も何もありませんが、スパイダーマンぐらい特徴のある能力だとさすがにパクリと指摘されるので似たヒーローは作られないようです。
ちなみにアイアンマンなどは「スーツを着る」ということが能力とされているので、そこから日本のように着装ヒーローというカテゴリで広がりは見せていません。
またキャラクターに関しては一度人気の出たヒーローを使うという傾向があり、スーパーマンなども戦前からずっと新しいシリーズが製作され続けています。
いきなり知られてない新しいヒーローを出して大ゴケするというリスクを犯さない、ということを考えると正しいマーケティング方法ではないでしょうか。
日本のヒーロー
日本のヒーローはアメリカとは違いどんどん新ヒーローを発表します。
というのは前述したように日本の場合はキャラクターグッズの販売を重視しているからでしょう。
私の子供の頃はウルトラマンや仮面ライダーなども一旦終了させて巨大ヒーローのグリッドマンなど、完全に新しいヒーローも製作されていましたが、子供心に巨大ヒーローはウルトラマンというイメージがあり偽物と考えて見ようとはしませんでした。
また戦隊ヒーローでも当時オーレンジャーというデザインが顔に星だけのヒーローが現れ、それまでダイレンジャー、ジュウレンジャーなどかっこいいデザインであったのに突然ダサいデザインにがっかりして見るのをやめた覚えがあります。
近年ではこのような失敗に学んだのかウルトラマン、仮面ライダーという名前を残したまま新ヒーローを製作するようになり平成仮面ライダー、平成ウルトラマンシリーズが作られているのではないでしょうか。
職業や年齢
これは日米共通の傾向が見られます。
昔のヒーローは子供に将来憧れてほしい職業についているヒーローが多かったようです。
昔のヒーロー
キャプテンアメリカのアメリカ軍人は軍志願者を増やしますし、アイアンマンやバットマンなどの大富豪は金持ち=ヒーローと考える子供が増えるでしょう。
他にもスパイダーマンなども科学者の卵ですし、ハルクも科学者、とにかくインテリで金持ちのキャラが多いです。
日本も当初は同じ傾向がありました。
仮面ライダー1号などは天才科学者で大学教授でした。
戦隊ヒーローもゴレンジャーなどは国家公務員です。
そして年齢も30代ぐらい、子供が将来こうなりたいと夢を見るぐらいの年齢が設定されていました。
近年のヒーロー
近年は子供の将来よりも実際見ている子供が共感して喜んでくれるキャラクターに寄せていってる傾向にあります。
アメリカのヒーローも10代の若いヒーローを全面に押し出すようになり、テレビでも10大ヒーローのチーム「ティーンタイタンズ」やX-menキャラを学生時代まで若返らせた「X-men:Evolution」などが放送されています。
日本に関しては変身するのがすべて若いイケメンタレントになってしまい、視聴率しか狙っていない状態、職業も若者が憧れる無職の風来坊やフリーターなどの自由な職業のキャラが多くなってきました。
まとめ
このように昔のヒーローというのはアメリカも日本も子供に目標を持たせるための希望として描かれて生まれてきました。
それが近年はキャラ人気に特化した商売重視になっている傾向があります。
アメリカはキャラをあまり変えていかないので従来のヒーローの方向性が残っていますが、日本は物販や俳優の売り込みに考えが特化して、従来のヒーローとはどんどん方向性が変わっていきます。
近年アメコミのヒーローがハリウッド映画などで進出してきている中、日本では日本のヒーローとアメリカのヒーローどちらが人気がでていくのでしょうか。
コメントを残す